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2027年度の外国人雇用:11月30日までに割当枠(クォータ)を申請し、労働許可証を確保

公開日:2026年10月2日
読了時間:読了目安 6 分
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要点サマリー

2026年8月31日、カンボジア労働職業訓練省(MLVT)は、2027年度の外国人労働力割当枠(Foreign Manpower Quota: FMQ)の申請受付を開始する通知第025/26号を発行しました。外国人労働者を雇用している、または2027年に雇用を予定しているすべての工場・事業所は、2026年9月1日から11月30日までの間に、外国人労働者集中管理システム(FWCMS)を通じて申請を行わなければなりません。承認されたクォータの取得は、外国人従業員の2027年度労働許可証(ワークパーミット)を取得するための必須の前提条件となります。またMLVTは、各事業所に対して労働自動化集中管理システム(LACMS)アカウントとFWCMSの連携を義務付けるとともに、外国人材に対してカンボジアへの初入国から90日以内に労働許可証の申請を行うよう注意を喚起しています。

管轄当局

カンボジア労働職業訓練省(MLVT)。

適用対象

2027年度に外国人従業員を雇用中または雇用予定のすべての工場および企業。

申請期限

2026年11月30日まで(fwcms.mlvt.gov.kh よりオンライン申請)。

罰則・取締り

労働監督官による1,220万〜1,800万リエル(約3,050〜4,500米ドル)の過料。

労働省は何を発表したか?

通知第025/26号は、雇用主が翌年雇用可能な外国人労働者数を申請する年次受付枠を開設するものです。主なポイントは以下の通りです:

重要ポイント

クォータの承認は労働許可証の取得に先立ちます。承認された2027年度FMQがなければ、雇用主は外国人従業員の2027年度労働許可証を取得・更新することができません。

  • 申請受付期間:2026年9月1日から2026年11月30日まで。
  • 対象企業:現在外国人従業員を雇用している、または2027年中に雇用を予定しているすべての工場・企業。
  • 申請窓口:FWCMS(fwcms.mlvt.gov.kh)を通じたオンライン申請。
  • 新規設立企業:本通知発行後に設立された企業は、外国人雇用を予定している場合、事業開始後速やかにFMQ申請を行うことが可能。
  • LACMSとFWCMSの連携:すべての事業所および工場は、LACMSアカウントをFWCMSとリンクさせることが義務付けられます。

クォータは年次ごとの承認制度であり、一度取得すれば済むものではありません。すでに在籍している外国人スタッフを2027年も継続して雇用する場合でも、雇用主は新たに2027年度のクォータ承認を取得しなければなりません。

10%ルールとその内訳区分

クォータ制度の下では、雇用主のカンボジア人従業員総数に対する外国人従業員の割合は原則として10%以下に制限されています(カンボジア人現地スタッフ数に対する外国人比率で計算)。この10%の標準枠は、職種カテゴリーごとに以下のように分割されています:

職種区分カンボジア人従業員数に対する上限比率
事務・管理部門従業員3%
熟練技術労働者6%
非熟練一般労働者1%
標準法定クォータ合計10%

10%上限の例外緩和:プラカス第277/20号

2020年8月、MLVTは外国人雇用の特別条件に関するプラカス第277/20号(Prakas No. 277/20)を公布しました。同プラカスに基づき、労働法第1条の適用を受ける企業において、適切な資格を持つカンボジア人を採用できない、または十分な人数を確保できない正当な理由がある場合、10%の上限を超えて外国人を雇用する申請を行うことができます。この枠外雇用にはMLVTの個別承認が必要です。

事業運営および実務上の留意点

外国投資家にとって、クォータは単なる行政手続きにとどまらず、人員計画における重要な法的制約となります。標準枠はカンボジア人現地従業員数を基準に算出されるため、現地採用数が少ない企業では、雇用できる外国人の人数枠も極めて限定的になります。実務上、以下の点に十分留意する必要があります:

  • 事業立ち上げ初期の企業:新設法人が外国人経営陣や技術チームの派遣を計画している場合、想定される現地人採用規模でその枠がカバーできるか確認が必要です。不足が見込まれる場合は、設立当初からプラカス第277/20号に基づく特別枠申請を前提に計画を立てる必要があります。
  • 総枠だけでなくカテゴリー別枠の管理:3% / 6% / 1%の配分があるため、10%の総枠内には余裕があっても、事務系職種などの特定カテゴリーで上限を超過してしまうリスクがあります。申請前に各外国人従業員の職種区分を正しく設定することが重要です。
  • プロジェクト工程と派遣時期:新規プロジェクトの立ち上げ、工場の試運転、経営陣の交代などに伴う外国人材の赴任時期は、クォータの承認とそれに続く労働許可証の発給スケジュールに直結します。会社設立や許認可取得と並行してタイムラインに組み込む必要があります。
  • M&A・事業再編のデューデリジェンス:買収やグループ再編において、対象企業の過去のFMQ承認、FWCMS登録記録、および労働許可証の取得状況は、労働法務監査(デューデリジェンス)の必須確認項目です。不備がある場合、買収後に過料が科されたり事業運営に支障をきたす恐れがあります。

労働許可証と「90日ルール」

カンボジア労働法第261条に基づき、外国人がカンボジア国内で合法的に就労するためには、有効な労働許可証(ワークパーミット)を保有していなければなりません。通知第025/26号は、在住・就労するすべての外国人材に対し、カンボジアへの初入国日から起算して「90暦日以内」にFWCMSを通じて労働許可証の申請を行わなければならない旨を改めて明記しています。

また、既存の労働許可証についても、MLVTが別途通達する期限までに毎年更新手続きを行う必要があります。2026年度については2026年3月31日が更新期限とされていました。雇用主は2027年度の更新期限に関する通知にも留意する必要があります。

不履行に対する罰則規定

期限までに2027年度のFMQを取得しなかった場合、労働監督官により1,220万〜1,800万リエル(約3,050〜4,500米ドル)の過料が科される可能性があります。この金額は、労働法第369条および罰金計算基準日給に関するプラカス第326号に基づき、基準日給の61日分から90日分に相当します。また、労働許可証の申請遅延や更新怠慢は、雇用主と外国人従業員双方に対する追加制裁の対象となります。

雇用主が今すぐ取り組むべき実務アクション

2027年度サイクルに向けた推奨チェックリストおよびタイムライン:

01

現在(2026年10月):FWCMSおよびLACMSのアカウント確認

企業のFWCMSアカウントが有効であること、およびFWCMSの案内に従ってLACMSとFWCMSのシステム連携が完了しているか確認する。

02

現在:2027年度の外国人人員計画の棚卸し

2027年に雇用予定のすべての外国人従業員(新規赴任予定者を含む)をリストアップし、事務・技術・一般労働の各カテゴリーに正確に分類する。

03

現在:10%上限枠および職種別比率のシミュレーション

予定している外国人雇用数を現地カンボジア人従業員数と比較・検証し、クォータの不足や超過がないか早期に洗い出す。

04

2026年10月〜11月:プラカス第277/20号特別申請の準備

標準枠を超える外国人雇用が必要な場合は、適切な資格を持つカンボジア人を十分確保できない客観的理由と証明書類を早期に準備する。

05

2026年11月30日まで:2027年度FMQ申請の提出

審査・承認には数週間を要する場合があるため、11月30日の最終期限を待たずにFWCMSを通じて余裕を持って提出する。

06

2027年初頭:既存従業員の労働許可証更新

MLVTが発表する2027年度更新期限の通知を確認し、期限内に労働許可証の更新手続きを行う。

07

随時:新規赴任者の入国日管理

各外国人従業員の初入国日を正確に記録・管理し、入国後90暦日以内に労働許可証申請を確実に完了させる。

重要ポイントのまとめ

  • 2027年度FMQの申請期間は2026年9月1日から11月30日までであり、FWCMSを通じて申請する。
  • クォータ承認は労働許可証取得の必須条件であり、既存の外国人スタッフを含め毎年更新が必要。
  • 標準上限はカンボジア人従業員総数の10%(事務3%、技術6%、非熟練1%)。プラカス第277/20号により超過承認の申請が可能。
  • 企業はLACMSアカウントをFWCMSと連携させなければならない。
  • 外国人材は初入国日から90暦日以内に労働許可証を申請しなければならない。
  • FMQ申請期限を徒過した場合、1,220万〜1,800万リエルの罰金が科されるリスクがある。

MLV Law Group によるサポート体制

MLV Law Group は、カンボジアにおける外国人雇用に関して、日系企業および外資系企業への全面的な法務支援を提供しています。当事務所の労働法専門チームは、2027年度の外国人人員配置とクォータ枠の適合性レビュー、FWCMSを通じたFMQ申請およびプラカス第277/20号に基づく特別承認申請の代理、労働許可証の新規取得・年次更新管理、さらにはM&Aや事業再編に伴う労働コンプライアンス監査(デューデリジェンス)を実施します。

2027年度のクォータ対策および外国人雇用に関するご相談は、当事務所(legal@mlvlawgroup.com または +855 71 777 4168)までお気軽にお問い合わせください。関連する業務分野の詳細については、労働許可証(ワークパーミット) および 雇用・労働法務 のページもご参照ください。

免責事項

本稿は2026年10月2日現在のカンボジア法に関する一般的情報を提供するものであり、個別案件に関する法的助言や弁護士・依頼者関係を構成するものではありません。法令、布告、通達および行政実務は変更される可能性があります。当事務所が正式に受任する前に業務委託契約の締結が必要です。

Moeun Vandy

Moeun Vandy

弁護士 · MLV Law Group、プノンペン

Moeun Vandy(ムーン・ヴァンディ)弁護士は、カンボジアの労働法、外国人労働力割当枠(FMQ)申請、外国人労働許可証(ワークパーミット)、労働コンプライアンス、および企業ストラクチャリングに関して豊富な助言経験を有し、MLVTおよびFWCMSの規制枠組みを通じて日系および外資系企業を支援しています。